身近な著作権侵害の例に対する考察
ブログの日記やWEBサイト上の記事は,著作権法で保護されます。
これを法的思考の下に検証してみましょう。
著作権法は、「著作物」であることを保護の要件としています。
そして、著作権法2条1号は,
「著作物」を
(1)「思想又は感情を創作的に」
(2)「表現したもので」
(3)「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
と定義しています。
(1)「思想又は感情を創作的に」とは,人の考えや気持ちについて何らかの個性が表れていることです。
(2)「表現したもの」とは、頭の中にあるアイデアなど内心の領域にとどまっているものでなく、外部に表示されているものを意味します。
(3)「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とは、例示規定であり,文化の範囲に属しているものであれば足ります。
(1)の要件について,ブログの日記の内容は,一般的には,考えや気持ちについて個性が表れているものといえ,この要件を充足します。
(2)の要件について,ブログで外部に表示されています。従って,この要件を充足します。
(3)の要件について,文化の範囲に属しているものともいえます。従って,この要件も充足しています。
よって,ブログでの日記は「著作物」として著作権法で保護されます。
WEB上の記事は,日記以上に,著作物としての3要件に合致し,一般に,著作物といえ,著作権法上の保護を受けるものといえます。
次に,コピー及びホームページへの転載は、「著作者の権利を侵害する」の要件を充足します。
著作者は「著作物」について2種類の権利を有しています。
(ア)一つは、著作財産権です。これは,著作者の財産的権利を保護するための権利です。
例えば、複製権(21条:無断でのコピーを禁じる権利)、公衆送信権(23条:無断で公衆に送信されない権利)、譲渡権(26条の2:無断で公衆に提供されない権利)などがあります。
(イ)もう一つは,著作者人格権です。著作者の著作物に対する思いなどの人格的,精神的な利益を保護するための権利です。公表権(18条:承諾無く公表することを禁止できる権利),氏名表示権(19条:氏名を表示するのかしないのか,するとして実名か変名かを決める権利)などがあります。
無断でブログの日記をコピーしたり,WEB上の記事を無断でコピーすることは,により著作財産権としての「複製権」(21条)を侵害しています。著作者名を表記せずに転載すれば、著作人格権としての「氏名表示権」(19条)も侵害します。
よって,著作者本人の承諾なしにブログの日記やWEB上の記事をコピー・転載する行為は,著作権違反及び著作権侵害となります。
なお、著作権法違反行為・著作家物侵害行為に対しては、前述のとおり,刑事・民事の両責任を負う可能性があります。
刑事上の責任として罰則(5年以下の懲役、500万円以下の罰金)が科されるおそれがあります(119条)。
民事上の責任としても,差し止め請求(112条),損害賠償請求(民法709条)等を受ける可能性があります。
著作権侵害行為・著作権法違反について